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鉄鋼・非鉄金属メーカーの就職偏差値ランキング

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画像参照:https://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2018/03/208981.php

 

業界別就職偏差値

※サラリーマン社長の独断と偏見で作成しています。

就職難易度、内定者の学歴、平均年収、実際に働いている方の声を考慮しています。

これは絶対違うよ!というものがあれば教えてください。

より役に立つ情報を発信したいと考えていますので宜しくお願いします。

 

業界別就職偏差値、第7弾鉄鋼・非鉄金属メーカーです。

 

【65】住友電気工業

【64】JX金属

【63】新日鐵住金

【62】住友金属鉱山JFEスチール

【61】三菱マテリアル

【60】

【59】三井金属鉱業古河電気工業

【58】日本発条DOWA HD、カナレ電気、古河機械金属

【57】神戸製鋼所日本軽金属HD、フジクラ東洋製罐、三和HD、大同特殊鋼

【56】日立金属、SUMCOリョービ山陽特殊製鋼

【55】アサヒHD、UACJ、大紀アルミニウム、丸一鋼管、愛知製鋼、大和工業、東洋鋼鈑栗本鐵工所横河ブリッジ

【54】日新製鋼三菱製鋼、文化シャッター

【53】タツタ電線、昭和電線HD、東京特殊電線、沖電線、共英製鋼リンナイノーリツ淀川製鋼所日鉄住金鋼管中央発條

【52】大阪チタニウムテクノロジーズ、日本伸銅合同製鐵、大阪製鐵、岡部、川田テクノロジーズ

【51】アーレスティ、平川ヒューテック、オーナンバ、アサカ理研日本冶金工業、東京鐵鋼、不二サッシ、コロナ、新日本電工大阪チタニウムテクノロジーズ

【50】エヌアイシ・オートテック、日本精鉱、三ツ星、東邦チタニウム、FCM

【45】東邦亜鉛、JMACS、中外鉱業、東邦金属、JMC、エス・サイエンス、丸順

 

 

トップは伝統のある老舗企業

まずはトップに輝いた住友電気工業です。住友電工明治30年創業の歴史ある企業で、連結売上高は3兆円を超える大企業です。住友財閥の中核を担う企業であることもあり大阪市北浜の住友ビルに本社を構え、採用大学も京大・阪大などの関西の大学を中心に非常に学歴が高いのも特徴です。

良くも悪くも古い体質の企業と言われており、完全なトップダウン型の年功序列と言えます。給与も同期とほぼ横並びで、30歳での年収は600〜650万円とねります。若いうちの基本給は標準評価で年齢×10,000円程度で、賞与は他の電線業界との兼ね合いもあり年間4.5〜4.8ヶ月とメーカーでは高い水準とは言えません。40代課長クラス年収1,000万円までは年功序列でほとんどの人が到達できると言われており、その後は運と実力が必要になります。出世にはTOEICが必要ですが、出来レースな側面もあるため上司が引き上げてくれるかどうかにかかっています。

同社は大きく分けて5つの事業部に分かれており、最初に配属された事業部からの異動はまずありません。自動車部品に携わりたくて入社した人がアジアのどこかの国で地中送電線の施工管理を行うような可能性もあり、配属リスクが非常に高いといえます。部署にもよりますが少なからず残業が多く風通しが悪いという話もありますので、その辺の認識も必要です。

現状ワイヤーハーネス頼みの収益構造となっているため、今後利益の薄い部門をどういった戦略で伸ばしていくかが非常に大切になってきます。

 

JX金属はJXTGグループの中核を担う非鉄金属企業であり、銅を中心とするグローバル資源・素材カンパニーです。

こちらも創業110年を超える古い企業であり、仕事の進め方もトップダウン年功序列の雰囲気があります。ワークライフバランスが取りづらいところもあるようですが、近年は残業規制が進んでおり40時間を超える残業は基本的には無くなってきています。部署によっては有給も取りにくいため、今後働き方の面でどう改善されるか注目です。

非鉄金属業界の中ではトップクラスの年収で30歳で600〜700万円ほどです。基本的に横並びで昇給していくため、若いうちは同期ではほとんど差がつきません。係長クラスで750万円〜、課長クラスで900万円〜程度となり、このあまりまでは誰でも到達できるレベルと言われています。

 

新日鐵住金は日本最大手の鉄鋼メーカー(高炉メーカー)であり、エンジニアリング事業や化学事業など5つの事業を有する新日鐵住金グループの中核企業です。

八幡製鉄所を源流とした書類文化があり、非常に官僚的・保守的な社風です。学歴も高く派閥も存在し、社内の政治力が高い人間が上に立っている印象です。逆に高卒の現場職ではハラスメントが横行していた時代もあり、トンカチでヘルメットを叩かれる事も日常茶飯事という話もありました。高卒・大卒に共通して採用時にストレス耐性の高さを見られているようで、体育会出身者は採用に有利に働くようです。

トップダウン式の企業である事は言うまでもなく、体育会系で指揮・命令系統がはっきりとしています。勤務地が都市部から離れている場合が多く、地方勤務に耐えられる人、現場の雰囲気に適合できる人でないと務まらない可能性がある事を認識しておく必要があります。高度経済成長を支えてきた産業であり、その頃の社員も多く残っている事から残業を厭わないという雰囲気があるのも事実です。プライベートに多くの時間を割けないという覚悟も必要です。

日本のメーカーでは給料は高水準であり、30歳年収は650〜750万円ほどです。若いうちは残業代が占める割合も大きいですが、管理職になるタイミングで大幅にベースアップが期待できます。それまでは横並びで昇給していきますが、人事考課の適正感はあまり感じられず上司との関係性が最も重要になります。

 

資源開発は財閥系に強みか

住友金属鉱山住友財閥の『新居浜4社』のひとつであり、住友の源流として現在もグループで大きな存在です。

会社規模の割には新卒の採用人数が少なく平均年齢は高めで、平均年収も必然的に高めとなっている点に注意です。逆にいえば少数精鋭で若いうちから裁量のある仕事を任せられる場合もあるので、特に現場は大きなプロジェクトを回している感覚を得られる事からも非常にやりがいのある環境です。

ここ数年で働き方も大きく変わってきていますが、まだまだワークライフバランスが取りづらく改善の余地があります。社内の雰囲気としては風通しの良い部署が多く、若手の意見も積極的に取り入れる文化がありますのでモチベーションの高い社員が多いのも特徴です。

30歳での年収は550〜600万円で人事考課で大きな差は出ません。高卒入社でもほぼ同等の給与ベースのためある高卒で入社できればある意味勝ちかもしれません。もちろん役職に就くには大卒のほうが有利です。

 

JFEスチールは社名のとおり、独自性や機能性の高い"鉄"を製造し世界中にタイムリーに提供している会社です。

2002年に川崎製鉄(川鉄)と日本鋼管(NKK)の2社が株式移転により経営統合した沿革があります。役員の多くは旧川鉄出身者で、どちらかといえば旧川鉄の企業文化が未だに残っている印象です。

こちらもトップダウン式の企業であり、仕事のスピード感という点ではあまり期待できません。しかし、近年の人材不足の影響もあり若手のうちから裁量のこ大きな仕事を任せられる傾向があります。

会社として定時退社制度や年休消化制度を取り入れるなど働き方改革に関わる意識は見られますが、現状は実態が伴わない改革と言われており、結果サービス産業が横行する原因になりかねないと懸念されています。特に技術職で入社する場合はある程度の残業を覚悟する必要があります。

年収は業界では高水準で、30歳年収は550〜650万円で総合職の給与ベースが高く設定されています。鉄鋼業界自体が下降トレンドのため業績連動で大幅な年収アップは見込めませんが、比較的安定している会社ではあります。役職に就くタイミングで大きくベースが上がります。

 

三菱マテリアル三菱グループの大手非鉄金属メーカーで、伸銅品で国内シェアトップの企業です。

M&Aを繰り返してきた会社である事から、グループ会社・子会社の管理まで目が行き届いていないというシーンも散見されています。カンパニー制を採っていますが未だに事業部間の隔たりが大きいのも事実で、配属リスクを考慮する必要があります。大卒は幹部候補生として入社します。学歴は高めで東大・東工大・早稲田・慶応等の派閥があるようです。

ワークライフバランスも部署により大きく異なり、残業時間が10〜70時間とかなりの差があります。有給の取得は積極的に行うよう推奨されており、工場などの現場を除いては休みを取りやすい環境でもあります。

30歳年収は500〜600万円で三菱グループとしては低いですが、家賃補助が月10万円まで出るなど福利厚生を中心に手厚くなっています。40歳課長クラスで900万円程度の年収になり、高卒でも管理職になるチャンスが大いにあります。

 

 

今回の解説はここまでです。

鉄鋼・非鉄金属メーカーを目指すならばこの辺りの企業はチャレンジしましょう。

 

 

鉄鋼・非鉄金属メーカーまとめ

  1. 古くからの企業が多く圧倒的に年功序列トップダウンの企業が多い
  2. 働き方改革で改善はしているものの未だに残業体質が残っている事が多い
  3. 1人あたりの業務量が多く若手のうちから裁量の大きな仕事が回ってきやすい
  4. 若いうちの年収は高くなく管理職までは横並び
  5. 他業界に比べ高卒の管理職が割合が高い

 

 いかがでしたでしょうか。

泥臭いイメージのある業界かもしれませんが、若いうちから大きなプロジェクトを動かせる可能性のある魅力的な業界でもあります。

革新的な技術や戦略を期待できる業界ではありませんが、比較的安定志向の方が揃っています。

縮小傾向ではありますが今後企業がどういった形で事業を多角化し生き残っていくかが鍵になります。

 

次回もよろしくお願いします。