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【質問回答1】適性検査の解答方法を教えてください

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少しずつブログを見ていただいている方も増えてきました。

いつもありがとうございます。

今後ともよろしくお願いします。

 

今回は初めての試みとしてお問い合わせいただいた内容について考えてみたいと思います。

『選考でよくある適性検査に関してどのように回答するのがベストでしょうか?』

という内容の質問をいただきました。ここでいう適性検査は言語理解や計数理解ではなく性格検査(パーソナリティ)だと解釈してお話ししていきますね。

 

では適性検査に関してですが、主に下記の3つに分類されます。

・質問紙法

・投影法

・作業検査法

 

最もポピュラーなのが質問紙法です。これは質問に対して「はい」「いいえ」などの択一式に従って直感的に回答していく手法をいいます。専門的な分析が必要な性格診断でも分析評価が比較的簡単なことが特徴で、性格検査としては最も利用実績がある方法です。ただし、簡便さが利点である一方で評価者側も安易に評価を下しやすいことに加え、回答者が学生自身であることから客観性に欠ける点は否めません。

 

投影法は精神分析の研究で用いられる手法で、その人物がある刺激に対しどのように反応するかでその人物の傾向をつかもうとする検査方法です。投影法の中でもロールシャッハテストは有名で、紙の上に描かれたインクの染みが何に見えるかといった質問が行われます。専門的な分析が可能になる一方、候補者一人一人ずつに時間をかける必要がある上、分析には専門家の知識に頼らざるを得ないため、新卒採用の適性検査としては不適格な部分が多いようです。

 

作業検査法(クレベリンテスト)は足し算や引き算などを所定の時間いっぱい解き続けるなど、連続的な単純作業を長時間していくうちに表れてくる作業に対する行動様式や傾向から適性を見出す方法です。

 

性格検査を行う時、やはり内定を欲しいという気持ちが先行してしまい自分を大きく見積もった回答をしてしまう方がいます。

結論から言うと『適性検査は基本的には正直に回答したほうが良い』と私はお勧めしています。付け加えると『正直に回答すべきだが、あまりにも社会的に不適合な選択肢を選んではいけない』と考えています。

一つ目の理由として、回答に一貫性がなくなってしまう可能性があるためです。自分を良く見せようとし過ぎて、本当は内向的だけどコミュニケーションを取るのが得意だとか、自分が先頭に立ってリーダーシップ取るのが得意だという選択肢を選びたいという気持ちが少なからず出てくると思います。もちろんその回答でも問題ありませんが、選考中は回答した通りの人物像を演じきる必要が出てきます。いろんな角度から同じ類の質問が繰り返されるため、最初のほうと最後のほうで矛盾が発生してしまう方がいます。これだけで内定が決まるわけではないのであればコイツ嘘ついてるなと思われてしまうよりも、内向的でも正直に回答するほうが絶対良いよねという話です。基本的に正直に回答すれば矛盾することはありません。企業によっては性格検査の結果を踏まえて面接を行うので、面接中の態度でも嘘がバレる事があります。自分の性格を理解して、こういう性格だからこそこういった事を意識して取り組んできましたという話しをしたほうが圧倒的に印象は良いでしょう。

 

二つ目の理由は、企業は性格検査だけで内定を出すことはありませんが、極端にリスクがある人物を切る事があるためです。正直に回答したほうが良いと言いましたが、あまりにも社会不適合者のような回答は望ましくありません。『一度怒り出すと気持ちを静めることがなかなかできない』『これまで人を困らせたり傷つけたことはない』『今まで嘘をついたことが一度も無い』などの項目に非常に当てはまるという選択をしてしまうと、回答自体の信憑性を疑われてしまいます。仮にあなたが本当にそういう性格であったとしても企業からは敬遠されてしまいますので、こういった極端な質問に対しては注意してください。

 

三つ目の理由は、入社後の配属や業務の適性を企業が見極める材料にする場合があるためです。大枠を捉えてマネジメントを行うのが持ち味の人が、緻密できめ細かな仕事が得意という人物像を作り上げてしまったがために、入社後の配属で苦労する事になったというケースも無くはありません。逆に正直に回答しても、営業志望なのに自分の意見を言うのが苦手だとかプレゼンテーションが苦手という選択をするのは不適切なのではないかと聞かれた事があります。こういったケースでも業界によって回答の仕方を変えるのではなく、自分の性格を全てひっくるめてアピール材料にしてしまえば良いと私は考えています。人前に立つのは凄く緊張するほうなので事前準備の時間を大切にしてきましたとか、苦手だからこそ自らアウトプットが必要な場に行くように日頃から訓練するように心掛けましたとか、自分の弱点としっかり向き合って行動してきた人のほうがミスマッチは少なくなる可能性が高いです。

 

 

回答は以上です。

要約すると『性格検査は矛盾が発生しないように基本的には正直に回答すること。希望する業界によって回答の仕方を変えるような事はあまり考えなくて良い。ただし、極端に協調性や社会適合性の無いような選択肢は避けること。』というのが私の考えです。

特に大手企業は適性検査を導入しているところが多いため、選考の一部として考えると良い人物像を作り上げたいという気持ちもわかります。選考の一部と考えるよりもリスクのある人物を振るいにかける作業と考えれば身構えることもありません。日本の企業で面接まで生き残る事がスタートラインに立つ事ですので、まずはそこを目指して準備していきましょう。

 

 

 

私自身、採用面接というのは不要だと思っていて、その人が本当に優秀かどうかなんて見抜けないと考えています。実際にそういった研究結果も出ています。ただ、日本の採用フローの大半が書類選考・適性検査・面接なので、内定をもらうには避けて通れない部分でもあります。選ばれるというよりは切られないアピールが選考の過程では有効です。この辺のお話は別の会で詳しく解説していきますね。